おばあちゃんの手

岩手県大船渡市で、高台にできた仮設住宅を車でまわりました。
仮設住宅のまえに、津波の記念碑がありました。
高さ1メートル×横幅2メートルくらいの岩に明治時代からの津波の歴史が刻まれていました。
その岩の前に、同じような年恰好のおばあちゃんが4人、腰かけていました。
まるで、まんが日本昔話にでてくるような、愛らしい丸い顔の方々でした。
生活のことなど、お話を伺いました。
向かって右はじのおばあちゃんが、
「私は3歳のときも津波にあったの。そのときはおばちゃんの髪の毛をしっかりつかんだまま流されてね、助かったの。今回も助かった・・・」
右から二番目のおばあちゃん
「それは、あなたに生き残る役目があったからよ」
左側の二人のおばあちゃん、うんうんと何度もうなずきます。
いつもこうやって励ましあって過ごされているのがわかりました。
しばらく世間話をしたあと、握手をしてもらいました。
一番右はじのおばあちゃんの手は、ふにゃふにゃと柔らかくて、暖かくて、気持ちよくて、思わず両手で握りしめました。