自己紹介⑧

弟子入りした治療院の院長は、在家得度していました。
高野山出身のお坊さんのところに定期的に勉強に通っていたので、私もくっついて行くことにしました。
修行すると家族のためにもなるときいて、
私も修行をはじめました。
姉が心を病んで引きこもりだったので、なにかの役にたてると良いなと思いました。
毎朝自宅でご真言を唱え続けます。
お数珠108つの玉を繰りながら一周100回唱えたと数え、5周唱えてノートに『正』の字を1つ書きます。
1時間で5000回以上唱え続けました。
毎日『正』の字を10個以上書くのが目標でした。

行ける日に始発の電車で埼玉にあるお寺にお参りにいきました。
朝のお勤めに参加します。
毎月、管長がどのくらい私の修行が進んだかを霊視してアドバイスをくれました。
『薄日がさしてきている』とか
『光を受け取りなさい』とか
抽象的なことでした。

朝、その日は参拝者が私一人でした。
管長の後ろで読経してました。
突然大音量のゴーーン!!!
管長が鳴り物の最大限音を鳴らしました。
どうも読経しているつもりの私がいびきをかいたのを
怒ったらしい?私を起こしたらしい?
真相はわかりません。
そのあと管長がおかゆとオムレツをつくって食べさせてくれました。
管長は甘いものが好きでそのあとトーストを焼いてイチゴジャムを塗りデザートにする習慣でした。
私はそれもごちそうになりました。

毎朝の修行は指圧学校卒業しても続け、3年くらいしたころ、だんだん修行がすすんだらしく、薦められて私も在家得度しました。
今から考えると、アチューメントを管長にしてもらいました。頭上から暖かいまばゆい光の洪水が体内に入力された感覚でした。
滝修行や断食などいろいろ体験しました。
お寺に参拝や相談にくる人たちを加持祈祷させてもらうようになりました。
般若心経を唱えながら、お数珠で背中を撫で下ろしたり、結界をはったりする係をさせてもらいました。

信者さんの息子さんとの縁談があり、お見合いをしました。この人は違うとお断りしたら、お寺の先輩たちに怒られて、お寺に行ってはいけない雰囲気になってしまいました。

このお寺のご縁はこれで終わりになりました。

無心でやる深い瞑想が体得できました。

ありがたい経験が積めました。

つづく