夜勤ボランティア

7月末~8月にかけて、新宿歌舞伎町「日本駆け込み寺」で、夜勤のボランティア活動をしました。
昼間は忙しくて無理でも、深夜なら活動に参加できると思いました。
夜11時に到着して朝6時まで、任務は「お留守番」ということで、スタッフが夜のパトロールにでるときや、電話相談にかかりきりのときなどの対応でした。
駆け込み寺の中から、歌舞伎町をながめていると、とくに真夜中若い人が気になりました。たぶん20代前半くらい、ときおり私を窓越しに睨みつけてくる子もいます。
あの子は、『世の中の大人は敵』という目をしていました。
(私も敵なんだなあ、こんな深夜に歌舞伎町をうろうろしてたら、あの子たちを利用して骨の髄までしゃぶりつくそうとする悪い大人の餌食になっちゃうなあ。)
スタッフのこーじさんが電話相談を終えて奥から出てきました。
そうすると、私を睨みつけていた子がこーじさんを手招きしました。
こーじさんはおもてにでて少しその子と話をして中に戻りました。
(こーじさんは敵じゃないんだ・・・)とながめていました。
こーじさんが私に話してくれました。「あの子は何歳でどこ出身でこんなおいたちでね、まあ正直に話してくれているのかわからないけど」
パトロール中気になる人には声をかけて話を聞くようでした。
駆け込み寺は、自分から助けを求めてきた人を受け入れています。
強制的に連れてくることはしません。
だけど、本当に自分や自分の人生を救いたくなったときに、「あそこなら話を聞いてくれる」と駆けこめる信頼関係を日ごろから築いているのがわかりました。
こうした活動記録に残らないような、地道な根気のいる仕事が大事なのがわかりました。
(私にはパトロールする勇気がないけど、あの子たちの幸せを願って駆け込み寺で腰かけていることはできるなあ。)
朝5時くらいに夜が開けてきて、若い子たちは通らなくなりました。
そのあとは朝帰りの酔っ払いたち、これから出勤らしい人たちが通り過ぎていきました。
任務以外は好きなことをしていていいので、英語のドリルがはかどりました。
ときおりうつらうつらしながら。
次の日の仕事もなんとかこなせたし、参加しなきゃわからないことが体験でき、良い学びになりました。
他のボランティアの方たちとも親しく交流して楽しい経験でした。